おば茶TIMES おばちゃん記者の、おばちゃんの視点による、おばちゃんのための生活情報

醤の館・川中醤油 おばちゃん記者リポート
川中醤油「醤の館」外観
新しく開発された住宅街と昔からの日本の佇まいが入り交じる街、西風新都である。
アストラムライン伴中央駅近く。昔ながらの伝統製法を大切にしながら100年の伝統を誇る老舗醤油店・川中醤油の「醤の館」を訪ねた。

日本の味と風味の代表格、醤油。
醤を「ひしお」と読む。これは903年、「和名抄」で、醤の和名に「比之保」(ひしほ)と書かれたのが最初の使用例だそうだ。
日本人は1000年以上も昔からこの醤に親しんできた。まさに「にっぽんの心の風味」なのだ。

入り口の釜
一口に醤油といっても奥が深い
 
伴中央駅から高取方面に下っていくと、白壁の和風な建物が目をひく。入り口には巨大な釜が、どんと置いてある。昔、この釜で原料の穀物を蒸しあげていたそうだ。

醤の館は一歩くぐれば食のワンダーランドである。
用途のぶんだけ醤油の種類があるといってもいいくらい、醤油が並べてある。それだけ日本人は、醤油を愛し、強く思い入れをもっている証であろう。
一口に醤油といっても奥が深い。また醤油を出発点にしたポン酢、ドレッシング、鍋のたれなど多彩なラインナップに驚く。
店内の醤油はテイスティングのための醤油さしと小皿がついているのも親切だ。
 
店内の様子
 
仙台麩
奥を見れば、醤油だけではなく様々な食品がずらっと並べてある。全国から集めた醤油ゆかりの食品、醤油を使った料理に合う素材が置いてあるという。広島のスーパーではほとんど見かけない材料も。「仙台麩」を発見。宮城県北部の北上川流域で古くから食べられてきたご当地ものである。
これも、醤油を使って新しい味を試していただきたいと、入荷したそうだ。(筆者たまらずその場で買い込んだ。)
醤油をキーワードにすえた「食のアンテナショップ」。料理好きにはたまらない「ツボ」があちこちに隠れていた。

醤油を使った「スイーツ」
 
筆者には、ここでどうしても食べたいものがあった。
醤油を使った「スイーツ」である。
醤油まんじゅうと、醤油ソフトクリームが、この場で買って食べられるという。。。

本日の醤まんじゅうは完売いたしました。

今、江戸あたりの若い女性から主婦たちがはまっているという味覚、「あま塩っぱい」。
塩キャラメルとか、塩バニラなどがもてはやされてきているが、昔から、塩まんじゅう、ざらめ醤油のおせんべいなどを食べつけてきた筆者にとっては懐かしい味がかえってきたかのような印象であった。
第一の目的、醤油まんじゅう。売り切れ。
毎日、工場で蒸し上げて供しているものだそうだ。
残念無念である。
 
醤油ソフトクリームにハマった!
 
第二の目的。醤油ソフトクリーム。
これに筆者はすっかりハマってしまったのである。
一瞬、キャラメルマキアート風味。

醤油ソフトクリーム
しかし、いきなり甘さがガツンとくるのではなく、あくまで甘さも醤油の風味も、混じったバニラの香りもじんわりじんわりやさしく鼻腔をくすぐるのである。舌ざわり、風味、ともに素晴らしい。
 
トッピングにはプレーン、ゴマ、ナッツ、ゆずなどラインナップがあったが、ナッツをふりかけてもらった。ナッツには黒砂糖も混ぜてあり、より香りをひきたて、濃厚に風味を押し上げる。
これはヤバイ、いくらでも食べられる・・・と、 悦に入っている間も、何組かの家族が車で乗りつけ、この醤油ソフトクリームを次々に購入して帰っていく。
すっかり、地元の味として定着しているようだ。
お盆などで帰省される途中、立ち寄られる人たちも多いそうだ。すっかりふるさとの味として定着したソフトクリームなのである。

「醤油」をキーワードに食の安全・食育にもとり組む川中醤油。明治39年から続く伝統に、新しいアイデアを沢山つめこんだ、「醤の館」。
地元に100年根ざしたふるさとの味の情報発信基地、ここは一見の価値がある。
古代むらさきが薫る 延喜 醤の館 / 委嘱状
醤の館 (ひしおのやかた)
営業時間: 午前10時〜午後6時
店休日 : 水曜日
(但し水曜日が祝・祭日の場合は翌日の平日が店休日となります)
住 所 : 〒731−3161 
広島市安佐南区沼田町大字伴5006番地
TEL : (082)848-2632